【COLORS②】ウィルスバスター 鬼の棲む街
「ママぁ〜ぁ」
子供の声?
今、確かに聞こえた。
それは俺たちが次の街に移動しようかという時だった。
「近くに子供がいるのか?」
「うん……私も聞こえた」
とにかくその子がまだ無事であれば俺たちには助ける義務がある。
頭でいろんなことをごちゃごちゃ考えるより先に、声の聞こえた方向に走り出していた。
「ママぁ〜ママぁ〜わぁぁぁぁん……」
そこには泣きじゃくる五歳くらいの少女と女性が一人横たわっていた。
察するに母親が鬼にやられたってとこだろ──
気の毒だけど……もう。
「君、一人なの?」
「わぁぁん……えぐっ、うっうっ、ひっく……ママとねパパと、うっうっ、一緒だったんだけどね──ひっく、ママ、奈々の代わりになってね」
状況が状況なだけに、言葉が言葉になってはいなかったが。
おおよそ検討はついた。
「奈々ちゃんのパパはどこに行ったのかな?」
今度は妃奈が少女に優しく語りかけた。
「……わかんない。でもあっちの方に行った」
あっち……か。
次に俺たちが向かう方向と同じ。
「奈々ちゃん、お姉ちゃんたちと一緒に行こうか」
「……いや。だってママとくまさんと遊ぶって約束したんだもん……」
少女の右手にいる白いくまのぬいぐるみは、土で汚れ茶色くなっていた。
「あとは俺がこの子は説得してみるから、妃奈は組織に応援を要請してこの子の迎えを呼んでくれ」
「……うん」
子供の声?
今、確かに聞こえた。
それは俺たちが次の街に移動しようかという時だった。
「近くに子供がいるのか?」
「うん……私も聞こえた」
とにかくその子がまだ無事であれば俺たちには助ける義務がある。
頭でいろんなことをごちゃごちゃ考えるより先に、声の聞こえた方向に走り出していた。
「ママぁ〜ママぁ〜わぁぁぁぁん……」
そこには泣きじゃくる五歳くらいの少女と女性が一人横たわっていた。
察するに母親が鬼にやられたってとこだろ──
気の毒だけど……もう。
「君、一人なの?」
「わぁぁん……えぐっ、うっうっ、ひっく……ママとねパパと、うっうっ、一緒だったんだけどね──ひっく、ママ、奈々の代わりになってね」
状況が状況なだけに、言葉が言葉になってはいなかったが。
おおよそ検討はついた。
「奈々ちゃんのパパはどこに行ったのかな?」
今度は妃奈が少女に優しく語りかけた。
「……わかんない。でもあっちの方に行った」
あっち……か。
次に俺たちが向かう方向と同じ。
「奈々ちゃん、お姉ちゃんたちと一緒に行こうか」
「……いや。だってママとくまさんと遊ぶって約束したんだもん……」
少女の右手にいる白いくまのぬいぐるみは、土で汚れ茶色くなっていた。
「あとは俺がこの子は説得してみるから、妃奈は組織に応援を要請してこの子の迎えを呼んでくれ」
「……うん」