【COLORS②】ウィルスバスター 鬼の棲む街
「一丁上がりっ!へへっ!どうだ特殊光線銃の威力を思い知ったか!」

「ねぇ。今、何か地面に落ちなかった?」

俺は倒れた鬼の近くであるものを発見した。


──写真?


「……奈々ちゃん!」

そこには先ほど遭遇した少女が写っていた。

「この鬼が奈々ちゃんの父親だったってわけね」

「……なんかやるせないよな。こういうのって」

これからも幾度となく遭遇するかもしれない場面。
そんなことは分かっている……

だけど。

俺はその写真をぎゅっと握りしめた。


!?


死体が……消えない。
一体、どういうことだ?

「聞いてた通りね。今回のウィルス『チェリー』は鬼に変化した奴らを倒しても一時的なしのぎにしかならない」

「……そうなのか?つーかなんでそんなことお前だけが知っているんだよ?」

また俺の読んでないメールがあるってことはないよな。さっき全部確認したし。

「昨日の戦略会議で塩ちゃんが言ってたでしょ、やっぱり聞いてなかったか……」

本日二度目の失態。妃奈も呆れを通り越しているようだ。
俺としては『やっぱり』ってのが聞き捨てならない。
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