JUNKー衝動ー
横を通り過ぎ……
ようとしたが、その男に道を塞がれた。


ムカついて睨んでやったが、


それでも男は構わず話し掛けきて

「冷たいねぇ…。
隣人にそんな態度でいいのかねぇー。
挨拶だってしただろうが?
世の中、近所付き合いも大切よ?」


(コイツ隣だったんだ…。)

なら、俺のことをある程度は知っててもおかしくない。



…あー。
そういや、確かに引っ越して最初に挨拶した気がする。
てゆうか、向こうが押し掛けやがった覚えがある。

そん時、根掘り葉掘り聞かれたな、確か。


あん時以来…か?
その時のことを思い出そうとしたが無理だった。
少なくともここまで男は肥えていなかった。
頭ももう少し賑やかだったと思う。


それにだいたい、近所付き合いなんてここに住んでから、それらしきことはしていない。


人付き合いとか面倒だし。
無理して、人に合わせるなんて疲れるだけだ。

得るものなんて無い。


「…隣人の顔も知らないんか、最近の若者は…」

黙っていると、何か勘違いしたらしく、隣人ははぁ、と大袈裟に溜め息をついた。


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