JUNKー衝動ー
いい加減、ヤナセにこれ以上付き合いたくなかったので脇をすり抜けて部屋のドアに向かった。

…ヤナセの立派な腹が邪魔で苦労した。



ドアノブに手をかけた時、ヤナセが

「あ、俺これでも医者だから。
頼ってくれて構わんぞー」

と、またニヤリと笑った。



……だから?



何で俺がお前を頼るんだよ。

…殴り合いか。
俺が殴り合いとかすると思ってんのか。


ホストが?
顔を傷付けるような真似、しねーよ。
顔は『商品』だっての。

……つーか嘘だろ。
ヤナセが『医者』なんて。
有り得ないね。
こんな馴れ馴れしい奴。

世の中大丈夫?

もしそーだとしてもヤブ医者だろ。


「ごじょーだん」

本当は色々まくし立ててやりたかったが、それだけ言い捨て部屋に入った。

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