JUNKー衝動ー
今日もいつもと変わりゃしない。
いつものように出勤して、
いつものように接客して、
いつものように酒を飲み、
時たまに来る妖しげな誘いも流し、
いつもと同じ時間に閉店した。
外では雨が降っている。
まだ小雨だけど、
時間がたつと大雨になると予報で言っていた。
(……雨…)
雨は嫌いだ。
………ジメジメしてて鬱陶しい。
…………嫌でも思い出す。
物思いに耽っていると、妙に高い作ったような声が話しかけて来る。
「シン〜また来るからね〜!」
「…ありがと」
甘ったるい香水を付けた割とよく来る客。
何となくふっと笑って
手をひらひらと振ってみる。
彼女は嬉しそうに手を振り返し帰って行った。
そのまま最後の客を見送って、帰り支度を始めた。