JUNKー衝動ー
いい加減、俺を練習台にするのは止めろ、と送ってやろうと思いながら本文に目を通す。


『かえてけあ』



…。



……。
……………。





「…はぁ?」

…なんだこれは。

意味不明のメールに思考が暫く停止した。

何を伝えたかったのか全く分からない。


やっと声が出せた時、ヤナセからまたメールが届いた。


また変なメールだったらどうしてやろうかと考えていたが、今度のはまともだった。

『帰ってこい!
あの子が起きたぞ。』


(あー…『帰ってこい』って言いたかったのか…)


それは理解できたが、…本文内容について理解するのが少し遅れた。

うん。ヤナセのせいだな…。



…あの子が起きた。

やっと『事態』を知ることが出来る。

そう思い、急いで帰り支度をした。

途中で店長に「どうしたシン?!」と言われる程、急ぎ焦っていた。


支度が終わると同時にロッカールームを飛び出た。


今までこんなに必死で走った事は
ねぇんじゃないかってぐらいで家路を走った。













…もし、

この時までに、彼女に対する興味が無くなっていたら。
消えていたら。


この後の崩壊を、
免れることが出来ただろうか…。

< 34 / 45 >

この作品をシェア

pagetop