JUNKー衝動ー
「……ちょ…っ?!」
俺は叫ぼうとしたが、口が乾いて声にならず。
咄嗟に伸ばした手など、何も掴める筈もなく。
ただ走ることしか出来なかった。
…周りが飛び出してきた少女に気づいた。
彼方此方からクラクションが鳴り響く。
ざわざわと歩行者はどよめいた。
中には悲鳴も。
そこで少女はやっと自分が置かれている状況に気づいた。
自分で驚いたのか、立ち止まり、己の右側を見て目を見開く。
―――自分へ向かってくる、大型トラックを見つめて。
今更ブレーキをかけようと、車は急には止まれない。
標語みたいな言葉が一瞬浮かぶ。
それは、まるで、
スローモーションのように、
1コマ1コマ見えた気がした。
(あぁ…あれってマジなんだ…)
と思った瞬間
キキィーーーーーッ