JUNKー衝動ー

―――あの時。

彼女が道路に飛び出し、トラックに気づいた瞬間。


俺は乳酸の溜まった足に鞭を打ち、走り直した。

正直しんどかった。
何でこんなに俺走ってんだよとか思った。
あの子もあの子で何やってんだ、とか。


…それでも彼女を追いかけたのは……何だろうな?

兎に角、放って置けなくて。
見捨てることなど尚更できなく。


…なんとか彼女の真後ろまでたどり着き、そして彼女の腰と肩を両手で
歩道へ引き戻し。


そのまま彼女を受け止め…

……るつもりだったが、
力が強すぎたのと、あんまりにも走り疲れていて、勢い余って、ぶっ倒れたのだった。


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