同居から始まる恋もある!?
「マスター!」
501 三丘晴海
マスターの名前を確認して、個室の部屋に入る。
タクシーを降りて、ここまで止まらずに駆けてきたせいで胸が苦しい。
不安すぎて、どうしようもない。
実家を離れてからは、ずっと一人だった。
世間知らずの若造に任せられるような仕事なんて限られてるし、結局は自分ひとりを生かすためだけで精一杯で、学費にまわすような金があるわけもなかった。
大学を中退して、随分荒んだりもして、だからといって逃げ帰る勇気も無い俺に手を差し伸べてくれたのは、マスターだけだった。
俺は、まだ何も恩返し出来てないのに。