同居から始まる恋もある!?
「やあ、芹生」
「……え」
恐る恐るベッドへ近づくと、そこには、腕に点滴をつけてはいるものの、軽やかに手をあげるマスターがいた。
「心配掛けて、すまなかったね」
「…マスターが、倒れたって聞いて…」
安心しきってその場で動けずにいた俺に、律がやれやれと両肩を竦めながら言う。
「過労だってさ」
「過労!?」
「新しいカクテルに夢中になり過ぎて、ここ最近まともに寝てなかったらしいぜ」
「そうなんだよ。近頃急に暑くなって、炎天下のなか買出しから戻ったら急にね、ぱったり。律君が来てくれて助かったよ」
「…」
呆れてマスターを見れば、苦笑いをしながら"ごめんごめん"と謝ってくる。
「…ど、どれだけ心配したと思ってるんですか!」
「芹生」