同居から始まる恋もある!?
俺は、大人気なく思わず声を上げてしまい、慌てて口元を覆う。駄目だった。身体が震えてしまって、そのままへたりとしゃがみこんでしまう。
既に面会時間も過ぎていたため、病院はすでに静まり返っていて、俺の声は余計に大きく響いてしまった。
そもそも、マスターは病み上がりだっていうのに。
「すみません。でも…、こんなこと言ったらなんですけど、元気そうでホッとしました」
「うん、ありがとう」
あの日、マスターに出会ったときと、同じ微笑みを浮かべながらマスターは言う。
「それにしても、過労って。そんな疲れてたんですか?水くさいです。俺、マスターのためならなんだってするのに」
「いやぁ、それについては僕もショックなんだ。昔はこれくらいじゃ、全然なんてことなかったっていうのに。気づかないうちに疲れが溜まってたんだね。暫らく休養しなさいと言われてしまったよ」