同居から始まる恋もある!?
Summer #10
涙で視界が滲む。淡い薄黄のヒカリが、幾重にもぶれて見える。
スマホのバイブがさっきから鳴りっぱなし。わかっている、相手は芹生だ。
思い切って着信拒否をして、あたしは美帆に電話をする。
『もしもし、サチ?』
親友の声を聞いて、心の底からホッとして、そうしたら無性に悲しくなって止まったはずの涙がぼろぼろと零れ落ちた。
声が震えてしまって、なかなかうまく話すことが出来なかった。
自然と何があったのかを察したのか、『いまから、うちくる?』と落ち着いた声音でそう問いかけた。
無言で頷いたって伝わるわけないのに、美帆は小さく笑って『じゃあおいで』と言ってくれた。