同居から始まる恋もある!?
美帆のマンションは、このあたりでも有名な高層マンションだ。父親が厳しくて、一人暮らしをする条件としてこの物件を指定したらしい。
洗面台を借りて、ぐしゃぐしゃの顔を洗わせてもらった。
なにがあったのかは聞かなかった。
美帆はただ、黙ってわたしを受け入れてくれた。こんな夜に。
「…美帆、ありがとう」
「何言ってんのよ、水臭いわね」
当たり前のようにそう言ってくれる彼女に、また泣いてしまいそうだったのでぐっと耐えた。
「ごめん」
「今度はなに?」
「…わたし、美帆にずっと黙ってた。美帆の、言うとおりだよ」