同居から始まる恋もある!?
「なにその顔!ヒトが落ち込んでるっていうのに」
「なんだ、がっかり。そんなの……、ただの愛の告白じゃない」
「っ!」
美帆は、咥え煙草にカチと火をつけ、ゆっくりと紫煙を吐き出した。
フィリップモリスの甘ったるい匂いが鼻をくすぐる。
「キョウダイで恋愛は出来ないわよ。傷つかないで、傷つけないで、得られるものなんて少ないわ。それが本気であればあるほどね」
「美帆…」
「壊す覚悟は出来てるんでしょ?」
「……、うん」
美帆は、ゆっくりと、とても綺麗に笑った。芹生のこと、スキだって言ったくせにどうしてこんなに優しいんだろう。思わず問えば、
「そりゃ、芹生さんよりサチのほうが好きだからに決まってるわ」
そう言って、ぱちりとウィンクをした。
それはとてもチャーミングで、わたしの心臓は正直に、どきりと小さな音をたてた。