同居から始まる恋もある!?
Summer #11
―――
――
―
バン、とカウンターが叩かれた。
驚いて顔を上げれば、そこにはいつの間に戻ったのか、律が般若のような顔をして立っていた。
「…おまえ、何やってんだよ」
「え、何って」
「サチに、なんであんな嘘つくんだって言ってんだよ!」
「律が怒ることじゃないだろ」
小さく息をつきながら言えば、律はガタンと大きな音をたてながらさっきまでサチが座っていた席に座る。
「妹とは付き合えないだろ?常識で考えて」
「妹だなんて、思ってないくせに」
「思ってないけど」
「はあ!?」
いつもの律らしくなく、酷く憤っている様子に驚きながら、俺はグラスに口をつける。
サチは美味しいと言ってくれたけど…、やっぱりまだまだだ。
なんだろう、シナモンが足りないのか。