同居から始まる恋もある!?
ぐっと押さえつけてくる律を押しのけようとするも、細身な体のどこにそんな力があるのかびくともしない。
もみ合っているうちに、二人で床へと倒れこんだ。
―その時だ。
「ただいまー…て、おや?」
ドアを開けて入ってきたのは、マスターだった。
「なんだい、君達…、もしかして"そういう"関係だったのか?」
「「そんなわけないでしょ!」」
俺達は物凄い勢いで距離をとった。マスターは冗談だよと言って、愉快そうに笑う。
「マスター、どうしたんですか?今日来るなんて言ってなかったのに」
「いやあ、ひとりで家にいるのも退屈なものでね。急に店が恋しくなって、ちょっと立ち寄ったんだ」
穏やかな表情で笑う。
マスターがこの場所にいることに、俺は心の底かからホッとする。