同居から始まる恋もある!?
「それにしても、ここで君達は何をしてたの?」
マスターの問いに、律が腰に手を当てながら口を開く。
静かにハナシを聞いていたマスターは、「それで」といいながら俺を見た。
「なぜ、まだ芹生がここにいるんだい。好きな女の子に好きだって言われて、ヒトリで帰すような馬鹿な真似を?ねえ、律」
「まったくです」
静かに穏やかに、でも真正面から問われておれはぐっと黙ってしまう。
「自信がないのか」
「っ」
「大切だから、壊すのが怖いのかな。彼女の理想か、信頼か?どちらもちっぽけなものだと思うけどね」
「…サチには、ちゃんと幸せになって欲しいんです。なのに…ちゃんとサチを守ってくれる彼氏だっていたのに、俺なんかを追っかけるために別れたとか言うし」
床に、律とふたりで座り込んだまま項垂れる。