同居から始まる恋もある!?
ビニール袋をカウンターにおいて、律さんはわたしを振り返る。
「久しぶりだね」
「お久しぶりです。あの、色々ありがとうございました」
「いーや、あの鈍い芹生相手じゃ大変だと思うけど、頑張ってね」
ぱちりとウィンクをする律さんに、小さく笑って返す。
―芹生は結局、わたしのマンションに戻ることはなかった。
ここ、ロッカの正式なバーテンダーとして、これからマスターとふたりでこの店を守っていくことになったのだ。
それに伴って、この店の2階に住み込みで働かせてもらえることになったのだという。