同居から始まる恋もある!?
マスターは、ぐしゃぐしゃと芹生の頭を撫でる。芹生は嫌そうな顔をしながらも、されるがまま。
「大分、サチさんの前では猫を被ってたようだけど。がっかりしないで、彼を頼むよ」
「マスター!」
声をあげる芹生に、その場にいる皆が笑う。
ふたりは、まるで親子みたいだ。芹生があんな風に人に懐いてる姿、はじめて見た。
「芹生」
「ん?」
「…やっぱりなんでもない」
「なんだよそれ!」
にっこり笑って、スプマンテを飲み干す。
そっと、誰にも見られないように芹生の手繋いで、ぎゅっと握り締める。
見上げれば彼は少し驚いた顔をした。