同居から始まる恋もある!?
言った後に、猛烈に恥ずかしくなってきて思わずぱたぱたと顔を掌で仰ぐ。
「イトコだよ、イトコ。夏限定でうちに居候することになったの」
「へえ……、親戚付き合いってやつ?」
「……まあ、そんなところかな」
じりじりと照らす黄金色の日差しから逃げるように、木陰に避難していた男。
サングラスをしていて、表情を伺うことはできないものの、背格好からして間違いなくあのふざけたメッセージを送ってきた芹生である。
近くを通る学生達が、興味津々といった風で芹生を伺っているのに、少しも気にした様子はない。
「芹生、」
呼びかけに気づいて、芹生はぱっと顔をあげてサングラスを外した。
涼しげな瞳が柔らかくほそまり、笑みを浮かべた(……わたしは昔からこの笑顔に弱い)
「まじで暑いね、今日。サチを待つ間に干物になるかと思った」
「……なんでここにいるのよ」
「物件探しの帰りに、急にビール飲みたくなっちゃって」
ふう、と物憂げな溜息をつく芹生。