同居から始まる恋もある!?
まったく質問の答えになっていない。
「もしかして、わたしに奢れとかいうんじゃないでしょうね」
「まっさかァ。いくら俺でも、学生にたかったりしませんよ。せっかく美味しいビールを飲むんなら、これからお世話になるサチ様にも、ご馳走させて頂ければと思いまして。あ、別に2名以上から使えるビールのクーポンがあったからとかそういうんじゃないよ」
ひらひらと黄色い券を見せびらかす芹生がへらりと笑った。
わたしはどこまでもマイペースな芹生に肩を竦めながら、先程から黙ったままの美帆に声を掛けようとした。
「…美帆?」
ぽけっと芹生を見つめたまま声を発しない美帆の目の前で、手を振ってみる。
すると、ようやくハッとして、美帆はわたしに顔を向けた。
「あああ、ごめん。ボーっとしてた!」