同居から始まる恋もある!?
―不健全だなァ…。
武の愛撫を一身に受けながら、頭の片隅でそんなことを考える。
大学生になって、2回目の夏だ。
田舎から上京して独り暮らしを初め、わたしは勉学に励みつつセックスにも励んでいる。
「ん、っぁ…、武…やだって」
「無理。もう止まらない」
もともと服なんて着ていない。
汗ばんだ肌と肌が混ざり合って、異様な熱を帯びる。人と人が距離をいちばん縮められるのはこの行為であると、わたしは信じて疑わない。
「サチ、いくぜ?」
弾んだ吐息と、切羽詰った声音。わたしが頷くのをまたず、性急にことを進めようと身体を動かす。
わたしも、もう限界だ。
気持ち良いことに関しては、わたしも武と同じくらい耐え性がないのだ。
弱いところをさすりあげられて、奥底から波のように押し寄せるものに、頭の中が真っ白になる。
どうにでもなれ、理性を放り捨てようとしたその時だった。
ピンポン。
ドアのチャイムが一度鳴った。