同居から始まる恋もある!?
「もちろん!ご一緒してよ、美帆ちゃん」
にこりと笑いながら、さりげなく美帆の名前を呼ぶ芹生。
美帆は、たったそれだけのことでますます逆上せ上って、これ以上刺激を与えてしまえばぱたりと倒れてしまいそうだ。可愛いを通り越して心配でさえある。
そんな美帆の様子を少し離れたところから観察しつつ、そういえば昔から芹生はよくモテていたなァということを思い出す。
兄弟のいないわたしにとって芹生は、彼自身がそう言うようにイトコというよりも兄という存在に近い。
勉強もスポーツも、なにをやっても一番になってしまう、自慢の兄。
『いいなあ、サチは。いつも芹生君の特別で』
そういわれるのが、その頃のわたしは何より嬉しくて誇らしかった。