同居から始まる恋もある!?

扉を横に引いてのれんをくぐる。


「いらっしゃいませ~…って、さっちゃん!どうしたのよ。きょうはバイト入ってないでしょうに」


店を切り盛りしているメグさんが、わたし達を出迎えてくれる。
ぐるりと店内を見渡せば、まだ開店後の時間で客入りも少ない。


「今日はお客です」

「そんな……、つい数時間前まで働いてくれてたのに、大丈夫?まあ、とりあえずお席にどうぞ」


そういって一番奥の四人席へと案内された。
メグさんは熱いおしぼりを手渡しながら、にまにました嫌な笑みを浮かべてわたしにそっと耳打ちをしてくる。


「……もしかして、二人目のカレシ?」

「いとこですって」


きっぱりと即答すると、メグさんは随分とつまらなそうな顔をした。
芹生は、そんな様子を少しも気にすることなく、メグさんにいそいそとクーポン券を手渡す。そういえばこの男はこれが目的でわざわざ大学の正門まで来てわたしを待ち伏せしていたのだ。

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