同居から始まる恋もある!?
「すみませーん、生中と…」
「あ、あたしとサチも同じの!あと、軟骨に漬物の盛り合わせもお願いしまーす」
ふたりの勢いはとまらない。
美帆はお酒を深くしていきながら、それに比例するがごとく芹生との距離をぐいぐい詰めるし、芹生はとりあえず美味しいビールが飲めて幸せらしく、ごきげんだ。
「芹生さん、どれだけ空気読めないんですか!サチには大好きな彼がいるんですよ!武命なんですよ!!」
人差し指を顔の前で揺らしながら説教をはじめる美帆。
芹生はぱちくりと美帆を見つめながら、ごくりとビールを飲む。のどが小さく揺れた。
大量のアルコールのせいで色素の薄い肌が淡い色に染まり、それだけの動作なのになんだかセクシーだ。なんて、何を考えているのだわたしは。
「知ってるよ」
「知ってて!?駄目じゃないですか。だって、ほら。色々と不都合がですね……」
酔っている。
美帆は完全に、酔っ払っている。
わたしは、彼女が何を言い出すのか内心はらはらしながらも見守ることしか出来ないでいた。