同居から始まる恋もある!?
「不都合?」
「そうですよ。ハタチを超えた男女がふたりきりで一つ屋根の下にいて、することはトランプじゃないんです」
得意げに言う美帆。なぜそうなる。
芹生も芹生で、ことりと首を傾げた後、「あぁ」と声を漏らした。
「セッ……「言わんでいい!」
わたしは思わず手元にあったおしぼりを芹生に投げつけていた。
「サチ酷い!なんてことするのよ!!芹生さん、大丈夫?」
芹生は丁寧にそれをたたみながら、声を荒げる美帆をなだめるようにほほ笑んだ。
「だいじょーぶ、慣れてるから」
わたしは謝らない。だって、どう考えてもわたしは悪くない。
そりゃ、美帆のアタックを尻目に、わたしはなぜか酷く苛々していたのは否定出来ませんが。
深山芹生を友人にとられているという、くだらない独占欲のせいだということは理解していたけど、7年も消息不明だった芹生のせいで、こんな思いをしなきゃならないという事実。
それが一番ムカつくのだ。