同居から始まる恋もある!?
ははっと力なく笑いながら、歩き始める。


『よかったら、ちょっと話しない?珈琲ぐらい奢るよ…ってごめん。金盗られたんだった』

『…ぷ』


がくりと肩を落とした山下さんに、わたしは思わず噴出してしまった。こんなにも不幸なのに我ながら酷い。


『笑うなよなぁ』

『近くに公園あるから、そこいかない?』


―――

――




だだっ広い公園のベンチに座り込む山下さんの頬に、冷たい缶コーヒーを押し付けた。


『初対面なのに、すみません…』

『気まぐれだから気にしないで』


わたしの言葉を、特に気にすることなく小さく笑いながら受け取る。
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