同居から始まる恋もある!?
『ヤケ酒とか?失恋でもしたの』
『どストレートっスね』
胸を押さえて、縮こまる山下さんを横目に、わたしはごくごくとコーヒーを咽喉に流し込む。
こっちは、夜通し働いていたのだから正直眠い。摂取したカフェインで、少しでもソレが和らげばいい。
『もう二度と会わないだろう他人に、遠慮しても意味ないじゃない。同じ大学だからって、うちマンモスだしさ』
『…そっか。それもそうだな』
山下さんは深く頷いたあとに、プルタブを開けて缶に口をつけた。
『高校んときからずっと付き合っててさ。向こうは地元離れてもう働いてんだけどね』
『…へえ』
『なんでなんだろうな』
自嘲気味に、そう吐き捨てた。