同居から始まる恋もある!?
なにをするにもずっと一緒で、高校生っていう大切な時間をずっと共有して、笑って、泣いて、たまに喧嘩もしたけどそれさえも相手を知るすべだったはずなのに。
変わらない気持ちを、信じていたのに。
『たった少しの距離と時間で、ダメになるもんだったなんてさ。まじでくだらねえよな』
『……』
『あ、深山さんはカレシとかいんの?』
押し黙ったまま聞いていたわたしに、そんなことを問いかけた。
『いたことないですよ』
『そうなんだ?いまどき珍しいなァ。深山さんモテそうなのに』
どこをどう見たらそういう台詞が吐けるんだろう。
徹夜でバイトしていたから、化粧はおろか目の下に濃いクマが浮かび上がっているわたしを見て。
『なんの嫌味ですか……』
『へ!?や、だってさ。俺なんかに声かけてくれるんだから、ぜったい優しいじゃん』
二カッと笑いながら、そんなことを言った。
他愛のないことを話しながら、ふと気づけば少しずつ夜明けの微睡むような空気が変わり始めていた。眠っていた街が、ようやく動き出す。
『それじゃ、わたしそろそろいくね』
『ほんと、ごめんな。ありがとう』
『いいえ』