同居から始まる恋もある!?
美帆の告白に、わたしは目を見開いたまま、言葉を返すことが出来なかった。
「……いいかな」
「そんなの、わ……わたしに聞かれても」
「あは、だよねェ。ごめん」
どきどきと、その長い睫毛が伏せられるのを見ていた。
何をそんなに動揺する必要があるんだろう。
「でも、芹生は夏までしかこっちいないみたいだよ」
「そうなのよね。どうやって引きとめようかな」
「芹生のなにが好きなの?」
思わずそんなことを問いかけていた。美帆は、視線を空にあげて「うーん」とうなり声をあげながら、首を傾げてみせる。
「顔」
「……それだけ!?」
「やだなァ、それはキッカケだよ。こないだも凄く楽しかったしー」
にっこりと笑みをうかべながら、そう言った。
「多分、まだ知らないことばっかりだけど、これから知っていけばいい話じゃない?セックスして身体繋いじゃえばさ、その時は好きにはなってくれなくても、ふとした瞬間にさ、少しくらいあたしのこと、思い出したり、考えてくれるようになるかと思ったんだけどね。失敗しちゃったよ」