同居から始まる恋もある!?
固まっているわたしに、芹生は困ったような笑みを浮かべた。
「美帆ちゃん、甘え上手で可愛いし、絶対モテるからすぐ彼氏出来るって。俺なんかには勿体無いよ」
「芹生」
「まっさか、サチにお相手の心配されるとは思わなかった。ああ、屈辱!」
「なによそれ!折角、ダメダメな芹生に現役女子大生紹介してやったのに!」
「ダメダメってゆーな!」
なんだか、うまくはぐらかされている。
むっとして膨れっ面をしたわたしの頭をくしゃくしゃと撫ぜ、芹生はゆっくりと立ち上がった。
「……どっかいくの?」
「ん、まぁね」
「もう10時過ぎてるよ」
「嫌だねえ、サチ。大人の活動時間はこれからだぜ」
にやんと笑って芹生は玄関へ向う。
靴を引っ掛けてこちらを振り向くことなくそのまま外出してしまった。
「……なによ」
空っぽになった皿を見て呟いた。
―洗物くらいしてけっつぅの。
ばふっとクッションを殴りつけながら、理解不能な苛立ちに気づかない振りをして呟いた。