同居から始まる恋もある!?

ね、と有無を言わさないマスターに俺はぐっと息を呑む。

―怒ってる、よなー…。

ちらりと表情を伺うものの、一寸の隙も無い笑みにすべてが隠されている。


「すみませんでした」


いたたまれなくて、深く頭を下げて謝罪すれば、マスターは少し驚いたかおをした後、困ったように口角を上げた。


「俺は、ほんとうに怒っていないよ。ただ、ね。芹生、きみはもっと貪欲になったほうがいいね」


彼の言葉の意味がわからず、首を傾げる。


「貪欲?一体何に……」

「君は、とても器用な人間だけど、そのじつ、ほんとうはすべてに対して興味がないように思えるから」

「……そんなこと」

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