同居から始まる恋もある!?
Summer #6
腕時計を見ると、時刻は5時30分。
24時間営業のファミレスで眠気覚ましのコーヒーを飲んでいた俺は、しょぼしょぼする目を擦りながら外に出た。
バーの最寄り駅から始発の電車に揺られること40分で、サチのマンションがある誠東につく。
居候生活2週間弱で、だいぶこの街の地理も把握し始めていた。
「……サチ、まだ寝てっかな。寝てるよなあ」
大学は夏休みだし、流石にこんな早起きはしないだろう。
渡されていた合鍵がついたチェーンをくるくるとまわしながら、まだ人気の少ない路地を歩いていた。
そのときだ。
「うそ、やだ、これって運命?」
少し高い声と、きつめの香水がふわりと香った。