同居から始まる恋もある!?

美帆ちゃんは、出会って2回目の俺でもハッキリとわかるように、不機嫌さを露わにしていた。

―さすがに、言い訳が嘘っぽすぎて申し訳ないな。
沈黙が気まずい。けれど、美帆ちゃんは少しの間のあと、ゆっくりと口を開いた。


「今帰ったら、ダメですよ」

「え」

「もしかしたらですけど、最中かもしれないし」

「さいちゅう?」


なんの、と続けようとして俺は思わず顔を赤らめてしまう。
美帆ちゃんはそんな俺の様子に、くすくすと笑っている。


「あー……、もしかして武君、来てる?」

「ええ。きのうの夜、連絡したら芹生さんいないから彼氏呼ぶって言ってましたよ」


―今帰ったら、完全にお邪魔虫……。
そういや、はじめてサチの家に行ったときも、明らかにそんな雰囲気だったし。

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