同居から始まる恋もある!?
『サチはさ、ブラコンなの?いつも俺の後ばっかついてくるけど、ちゃんとトモダチも大切にしなよ』
困ったように笑う芹生。わたしは、あの頃いつだって彼の後をくっついてまわった。
『勿論よ。それでも、わたし、芹生とずっと一緒にいたいんだもん』
―大好きだから。
わたしを置いて、離れていった芹生への気持ちを、消し去ることに必死だった。押し殺して、息を潜めて、見ない振りをして、ようやく。
忘れられたと思っていたのに。
あのときの気持ちは、今、こんなにも鮮明に色づくんだ。