同居から始まる恋もある!?
芹生は、いつだってキョウダイのいないわたしにとって最高の兄で、わたしはいつだって最高の妹であろうと努力した。

それだけじゃ、足りなくなったのはいつだっただろうか。

きっと、そのときには既に恋に落ちていたんだ。


わたしにとって、芹生はもう兄じゃないけど、きっと芹生にとって、わたしはいまでもあの頃と同じ、妹のままだ。

でなければ、いくらイトコだといったって、ハタチの女の家に居候しようだなんて思うはずがない。


だとしたら、きっと7年振りに会ったわたしにガッカリしている。

再会した日に、兄のあとを必死でついてまわっていた妹は、彼氏とセックスをしていたし(…そういえばパンツも拾われた)、再会を喜ぶでもなく可愛げのない言葉ばかりを投げつけるのだから。


夏が終われば、彼もいなくなる。

その間だけでも、可愛くて素直な妹を演じていればよかったのに。


なぜわたしは。
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