同居から始まる恋もある!?
美帆と別れたあと、バイトのシフトも入っていなかったから真っ直ぐに帰宅。
鍵を開けて中へ入れば、クーラーの冷気がひやりと流れてきた。芹生も、既に部屋に戻ってきているみたいだ。
リヴィングと玄関を遮るスモークガラスの扉をそっと開ければ、強い西日を気にもせず、ベッドにもたれてうたた寝をしている芹生がいた。
小さな呻き声と同時に漆黒の髪が零れて、象牙色の肌に掛かる。
声を掛けようと伸ばした手を、思わずとめてしまった。
記憶の中の芹生より、ひときわ美しい。
もっと近くで見てやろうと前髪をそっと持ち上げて、まじまじと観察。長い睫毛が頬につくる黒い影が、酷くセクシーだ。
男なのに、ずるい。
「芹生」
「なに?」
「……ぎゃ!起きてたの!?」