同居から始まる恋もある!?
ゆっくりと伸びをしながら、わたしを見てにやんと笑う。
「サチにチューされんのかと思って、どきどきしちゃった」
「いい歳してチューとか言うな!あんまり気持ちよさそうに寝てるから、まぶたに目玉でも書いてやろうと思っただけです」
「酷っ」
芹生は、冷蔵庫の中から缶ビールを取り出しながらけたけた笑う。
「サチもいる?」
「いらない。さっき、カフェでフラペ飲んだから」
「そっかー」
プルタブを開けて、とても幸せそうにビールを飲み干す芹生の横顔を、わたしはなんとなしにみつめていた。
ちらりと目が合って、視線が痛いんだけど、と言葉を漏らす。
「サチー、今日って何日だっけ」
「えーっと、8月21日だけど…」
「誠東花火大会って、このマンションから見えんの?」
そんなことを言いながら、わたしに薄いレモン色のチラシを寄越した。