同居から始まる恋もある!?
「ごめんな」
耳元で、芹生の言葉を聴く。思わず隣を見れば、相変わらず視線は合わない。
光に染まる芹生の横顔は、少しの感情もうかがう事が出来なくて不安になる。
「なにに対して?」
わたしは、以外にも冷静だった。
「……カッコいい兄ちゃんのままで、いられなくって」
瞬間、空にはラストを飾るのに相応しい連続の打ち上げ花火が次々とあがり、声は届かなくなってしまう。
最後の大輪が散って、ぞろぞろと見物客たちが移動を始める。
それでも、わたしと芹生はその場に座ったままでいた。