同居から始まる恋もある!?
冷静にそんなことを言う。
「おーい、武!何してんだよ!」
「悪い、ちょっと用あるから先行っててくれ」
呼ばれた彼の名前に、ハッとした。なんだ、サチの彼氏じゃないか。
彼の友人達(だと思う)は、彼の返事に頷いてぞろぞろと歩いて行ってしまった。
まじまじと俺の顔を見て、不思議そうに首を傾げた。
「あれ、なんだ。酔っ払ってるわけじゃねえのか」
「いたってフツウです」
「てっきり、祭りで飲みすぎてあそこでしゃがみ込んでるのかと思いました」
武君は、くつくつと立ち上がる俺を見ながら笑う。
その言葉に俺はがっくりと肩を落とす。
「これでも、25歳の立派な大人なんだけど」
「立派な大人が、こんなところでしゃがみ込んで何やってんですか」
ストレートな武君の言葉が、容赦なくグサリと胸に刺さった。