同居から始まる恋もある!?
「俺、どんな顔してる?」
「鏡でも見たらどうですか。それじゃ、サチも無事みたいだし、俺行きます」
「あ!ちょっと待ってよ」
俺は慌てて武君の腕をつかんでいた。そこで待っててと伝え、そろそろ店仕舞いを始めた屋台から焼きそばと缶ビールを購入する。
「はい」
「……なんですか?」
「お礼だよ、お礼。受け取って」
怪訝そうな顔をする武君に、無理やりビニール袋を握らせた。
武君は呆れた顔をしながらも、そっと近くにあるベンチを指差す。
「どうせなら、一緒にどうです?俺、深山さんに聞きたいこともあるんです」
ぶっきらぼうだけど、彼はきっと優しい人間なのだろう。先ほどの短い電話からも、サチを大事にしているのを伺う事が出来た。
―……ああ、そうか。