同居から始まる恋もある!?
しっかりと意志の込められた若い瞳。
笑ってサヨナラなんて出来るわけもなく、ふうと溜息をついて、再び彼の横に腰を落とした。
「なに?」
「深山さんて、サチのこと…好きなんスか」
「……ぶっ、て…うわ、ヤバ!」
思わず噴出してしまって、慌ててパタパタと手で拭う。元凶である武君は、軽蔑まじりに俺のことを傍観してる。
いきなりなにを言い出すんだ、この子は。
「俺は……、サチの兄貴だぜ。そりゃ好きに決まってるじゃん」
「違う。そういう意味でなくて」
そういう意味じゃない好き?真面目な顔でなんてストレートに聞いてくる。
「それに、深山さんは兄貴じゃない。イトコだろ」
吐き捨てる武君の言葉からは、いつのまにか敬語が消える。きっと、それすら気づいていないんだろう。
彼自身恥ずかしいのか、短い髪からのぞく耳は赤く染まっている。