同居から始まる恋もある!?
―けれど。
自然と笑みが浮かぶ。
今日、俺は武君と話せて幸運だったと思う。妹だと思ってたサチを、俺の代わりに守ってやれるのが彼でよかった。
そう思えたのだから。
寂しいと、そう感じるのは勝手だ。それともうひとつ、別の、もっとドロドロした感情の名前は、今はわからないけど。
それには蓋をしておけばいい。
「俺の代わりに、サチをよろしくな」
「何言ってんだよ。当たり前だろ」
「あは。そーだよな」
「深山さん!あんた、どこ行くんだよ」
俺は武君の問いに、思わず首を傾げる。
「とりあえず、武君には申し訳ないけど、今はサチのマンションしか帰る場所はないし」
「……そ、そうか」
口篭る武君に、プッと噴出す。