夏のできごと
綺麗にバレていた、
菜々には隠し事は
絶対出来ないや。
「あのね、
別れたんだ、蓮と。」
「……。」
ああやっぱり、
言わない方が良かったかな。
菜々は大きくため息をついた。
そして私の目を真っ直ぐ見つめて
真剣な表情をしている。
「なんで隠そうとしたのよ。」
「あああ、朝から暗い話とか
したくない…じゃん?
後程話そうかと…、」
「そんなん許さんっ!」
菜々そう言って
私のほっぺたをつねった。
「…ん…ふふっ、」
「へ?」
「雅の顔、面白い…あははは。」
「ひほいよーっ」
菜々は笑いながら
私のほっぺたから手を話して
今度は大きな声で
笑って、お腹を抱えながら
私に言った。
「雅、暗い話でも
こうやって笑えば
楽しくなるでしょ?
何事にも前向きにねっ。」