1ast present
『早紀、怖いやろうけどちょっと我慢してな。
助けてやるから。』
陸が低くて甘い声で、
あたしを落ち着かせるように言う。
「わかった…」
『今も同じ道に居る?』
「居る、同じ道やよ」
陸はその後何度も何度も
今は?何処歩いてる?
さっき○○の前通った?
とかって、あたしの居場所を
繰り返し尋ねてきた。
「今は信号の前、目の前は―…」
その続きを言おうとした時
あたしは息をのんだ。