1ast present
「俺は解る。早紀の気持ち」
陸はまたたばこに火をつけて
話し始めた。
「寂しいんよな。
寂しいし辛いし。ムカつく。
わかるのはストレスだけで、
独りになりたいけど、やっぱ
独りになりたくない。
支えが欲しくても、誰も自分のこと見てくれてなさそうな気ばっかりする。
大人やって、無茶苦茶な俺らを放っておく。
誰も頼れん。
一匹狼のが楽やわ〜ってなぁ?
違う?」
「…」
「親の期待も大きい。
もうそろそろ逃げ場が欲しかった。
やきん悪い方にしか手が出せんかったんやろ?
早紀は、ホンマに落ち着く場所、持ってなかったんやな」
ことごとく、陸の口から発せられた言葉は
あたしの気持ちそのもので
あたしはあふれる涙を止めることが
できなくなっていた。