1ast present
「あ、あたし…」

「なんつーの?一目惚れとさっきのキスで
頭逝ってるわ俺」

「あ…あのさ陸、あたし
まだ全然陸のこと知らないよ。
…キ、キスは、したくなったんだけど…
まだよく解んないってゆうか…」
あたしは少し焦りながら
応える。

「…だ…よなぁ?
俺だって全然知らんしっ?」

「でもねっでも…」
「でも何?」
「でも…」

陸があたしを解放する。
あたしは陸がこっちをみたのを確認してから

「い、嫌じゃなかった…から」

「マジで?」
「うん。マジで」

陸は急に立ち上がって
窓のカーテンを開けた。

眩しい朝日があたしたちを照らす。

「俺、早紀だけは信じたいって思った。
早紀なら俺を裏切らずに
居てくれるんやろぉなって」

背中を向けたまま言う。
陸が窓を開けると、優しい風が吹き込んできた。

「俺についてこいよ、早紀」
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