Rain Candy
無い…無い!
俺の傘がっ…!

盗られてしまった…


目で見えるほどの雨粒に、豪快な雨音。


こんな中、濡れて帰るなんか、嫌だ…

こうなったら俺も盗るか…いやしかし…




………、なに下駄箱で悶えてんの?飴くん。糖分不足?



相変わらず表情を変えずに俺の後ろに立つ君。

てかさっき名前教えただろうが…




糖分は有り余るほどポケットにあるよ…、傘がパクられたんだよ…


ふ~ん、…なら、入るかい?飴一個ね。




ちょっと大きめの傘を拡げ、また左手を差し出す…


迷う…

家はわりと近いのだから、入れてもらうのがいいに決まってる。

でも、女の子と相合い傘はちょっと…




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