Rain Candy
飴くんは素直だね~。
…うるさい…
結局飴一個支払い、傘に入れてもらうことにした。
いちごの香りが広がりながら、肩が触れ合う…
止むことなく、降り続く雨、傘の下の狭い空間は、晴れているかもな…
誰とも話さず、じっと窓を見つめる君は、いつか俺を見てくれる日は来るのだろうか…?
じゃあ…俺の家ここだから…その、あんがとな…
玄関先まで来て別れを告げる、びしょ濡れの左腕は隠しながら…
そか?ここなんだ?…じゃあね…
飴をせがむことも、冗談一つ言うことなく、軽く手を振って去っていく…
左腕は冷たい、右腕はまだ、あったかい…