べいびー☆ぱにっく




◇◆◇◆◇◆





ふにっ


「痛ぇんだけど。」

「ゆき。顔、怖いんだけど?」




国谷先輩が、自分の席に戻ったあと

なんだか不機嫌なゆきの頬っぺたを摘まむと、ゆきはギロッと睨みつけてきた



「…うっせぇ。」


「国谷先輩が自分と“ポーカーフェイスキャラ”で被ってるから気にくわない―とか?」



国谷先輩の後ろ姿を見ながらなんとなく呟くと、ゆきの―ハァ?という呆れた声が聞こえた


「なに言ってんだ、てめーは」


「でも、ゆき“ポーカーフェイスキャラ”が崩れてきてるよねー

美夢ちゃんの前ではデレデレしてるし。
だからね、被ってないよっ!」


ニッコリして言ってみると、ゆきは顔をしかめた



「意味わかんねーよ。」

「じゃなきゃ、国谷先輩に対して不機嫌なのが納得できん!」



「不機嫌になんてなってねぇっつーの!」

「なってるよ。ねぇ、愛弓ー」


「うん、してる。怖いよー」←棒読み



「後藤、せっかく合宿に来たんだから楽しもーぜ!」




ゆきはブスッとして、席にドカッと座った




「後藤くん、国谷先輩にやきもちでも妬いてんのかな?」


アタシの耳元でボソリと囁いた愛弓の言葉



「やきもち?

………なんで?」



愛弓につられ、自分も囁くように言った





「なんとなくー思っただけっ」







< 147 / 152 >

この作品をシェア

pagetop